カラスとトンビ
2003.11.25

2003年10月3日午前7時15分ごろ撮影:

果樹栽培者の殆どが、カラスには相当の被害を受けています。収穫の時期になると、必ずカラスがやってきて、食べごろになった果実を集中的に食い荒らします。

だからといって、カラスが嫌いかといえば、私に限れば、人間よりも好ましい生き物であると思っています。その能力の高さを敬服さえしています。

自然界における生存競争の凄まじさを、カラスとトンビに見せていただきました。庭に接した電線上での出来事。素晴らしき彼らに感謝しています。

ピーヒョロー・ピーヒョロー。
澄んだ声で鳴きながら、大空をゆっくりと弧を描くトンビ。その姿の美しさに、うっとりと見惚れてしまいました。

その立派なトンビが、すーっと降りてきて、目の前の電線に止まったではありませんか。

「これは凄いぞっ」
びっくりして、嬉しくて、心臓がドキドキと早鐘のように鳴り出しました。こんなに近くで、トンビの雄姿が見られるとは。有難いことです。

「これは凄いぞっ。これは大変だぞっ!」
とんでもないことになったのです。
一羽のカラスが、トンビ目掛けて急降下して来たのです。そしてトンビより上段の電線にサッと止まりました。

カラスが猛禽類のトンビに敵う筈はないのですが。

それどころか、身の程知らずのカラスが、トンビを挑発し始めたのです。

「この電線は俺たちの縄張りだ!出てゆけっ!」
このカラスは、この辺りを生活圏とする、私も良く知っている「あのカラス」です。

カラスの強固な意思が、カメラのレンズを通って、ひしひしと伝わってきます。

「おーっ、凄いな、勇気があるなっ、カラスって偉いなっ!」
向こう見ずのカラスに感動しました。そして酔い、理由もなく奮い立ちました。

時間にすれば十分ぐらいでしょうか。
カラスが自分よりも大きく強く、そして獰猛なトンビを追い払ったのです。びっくりしました。

このトンビなら、カラスを傷つけることなんか簡単な筈です。
しかし、それをせずにトンビは其処を立ち去ったのです。

私は唖然として、思考を纏める事もできませんでした。

暫くして、私は叫びました。トンビの飛び去った東の空へ向かってです。

「君も立派だぜっ!」

「弱い者いじめをしないから、君は立派なトンビなんだね。」















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